おもてなし

加賀屋の先代女将 小田孝が心を語る「元気でやってるかい」

17.“声なくして人を呼ぶ”経営。

一部屋に二人の女中さん
加賀屋方式に人気

加賀屋の料理イメージ

味のおもてなし

【煮物】
鰤大根田舎煮

呼帆荘が完成したことで施設がよくなったこともあって、いい女中さんも揃いはじめました。「加賀屋に行くとスリッパがいつの間にか揃えてある」「朝の早い出発でも、女中がいやな顔をしない」と、お客様のご満足のことばもいただけるまでになりました。一部屋に二人の女中さんを配する加賀屋方式をとり、サービス向上につとめたためか、一流旅館のお客様もうちへ来ていただけるようになっていきました。

いいお客様がどんどん増え、県外からのお客様も来てくださり、呼帆荘の廊下は人でいっぱいで、お客様がぶつかりあうようなこともあったほどです。宴会場が狭くなり、二十七年に宴会場と客室を少し建て増ししたのですが、百人の団体さんですと、宴会をする広間がありませんでした。

お客様の方から「奥さん、心配すんなや。外でやりましょう」といってくださったりしました。それはそれで前日は「雨がふらなければいいが…」と、一晩中心配で眠れなかったことも今では懐しい思い出です。

加賀屋は曲りなりにも大きくなり、三流から二流へと変わっていきました。それとともに、私の役目は、大勢のお客様のお出迎え、お見送り、お部屋へのご挨拶回りと、集約されていきました。掃除や料理運びはお役ご免となり、“おかみさん”としての仕事を“無理強い”されることになったのです。

お客様が、
お客様を呼んでくださるような
接待を心がける

来ていただいたお客様には、必ず満足していただき、また来ていただく…。これがいつも変らぬ信念でした。頭を下げる時も目の前にいるお客様を通して、見えないお客様にも挨拶しているつもりでいました。加賀屋でいい一日を過ごしたお客様が、きっとお友達やお仲間に紹介してくださり、その人たちもいつか来てくださると願っていました。  

今の時代ですと、テレビのコマーシャルが盛んですが、それよりも、お客様がお客様を呼んでくださるような接待を心がけることが大切なのじゃないでしょうか、と、今も思っております。

女のしたたかな計算でしょうかね。

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